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外部保護機能とメリットについて

  • 1セル
  • 2セル
  • 多セル

短絡保護機能

短絡保護機能は、短絡電流を検知して放電を遮断することができます。

外部電極間で金属ショート(短絡)した場合、セルの能力限界まで放電電流が流れて、その大電流によって放電経路上にあるFETが発熱して破壊したり、セルの自己発熱によって熱暴走が起き、電極を分離するセパレータが破壊されることで、発煙・発火や最悪の場合、爆発を引き起こす可能性があります。

短絡保護機能では、短絡電流を検知し、1m秒未満の短時間で放電を遮断します。放電過電流と機能としては同じですが、より大きな放電をより短時間で遮断する点で異なります。

対象製品:1セル全て・2セル全て・R5433を除く多セル製品

  • 1セル
  • 2セル
  • 多セル

0V 充電禁止機能

0V 充電禁止機能とは、セル電圧がほぼ0V になってしまった場合、再充電を許可するか禁止するかを選択できる機能です。

0V充電禁止バージョン : 過放電検出電圧を下回るセル電圧が、所定の電圧まで下がった場合には充電出来ない

一定以下の電圧まで低下したリチウムイオン電池の内部では電極に金属が成長してセパレータを突き破り、内部短絡が起こることがあります。 このような状態の電池に対し充電を行うと、電圧の上昇に従い電池内部が発熱が大きくなり、電池の劣化を引き起こし、危険な化学反応が発生する可能性があります。 0V充電禁止バージョンを選択することで、このような危険な状態を回避することができます。

0V充電可能バージョン : セル電圧が0Vまで放電しきったセルに対して充電が可能

0V充電を保証しているセルには、0V充電可能バージョンが選択できます。0V充電可能として出来る限りリカバー可能な状態とすることで、かなり放電してしまった電池を復帰させることが出来ます。

対応製品

1セル

・ 選択可能: R5405シリーズ・R5494シリーズ・R5487シリーズ・R5497シリーズ・R5471シリーズ

・ 0V充電禁止版のみ: R5480シリーズR5486シリーズ

2セル

・ 選択可能:R5461シリーズ ・ R5462シリーズR5464シリーズ

・ 0V充電禁止版のみ: R5463シリーズ

多セル

・ 選択可能: R5432シリーズR5650シリーズ

  • 多セル

セルバランス機能

多セル直列構成の電池パックにおいて、それぞれのセルのエネルギー容量(電圧)を均一化する機能がセルバランス機能です。
セルが一定の電圧を超えた時、充電電流の一部をバイパスさせたり、セルから放電を行うことで、セルの電圧(エネルギー容量)を均一化します。

多セル製品は、個々のセルの容量やリーク等の個体差により”ばらつき”が生じ、各セル間で電圧のアンバランスを起こします。

アンバランスのあるセル間での充電では、大きな電圧のセルは先に満充電になり、充電が停止します。一方、小さな電圧のセルは先に放電停止電圧に達します。 この状態は、有効な電池仕様範囲を狭め、電池の実効容量が減り、システムの駆動時間やセルの劣化を生じさせます。

セルバランス機能を使うことで、セル間のアンバランスを防ぎ電池パックの実効容量の減少を防ぐことができます。

対応製品:R5432VシリーズR5436Tシリーズ等 多セル製品群の一部

セルバランス機能

  • (1) セル電圧がセルバランス検出電圧以下の時はセルは充電されます。
  • (2) セル電圧がセルバランス検出電圧以上になると、CB1端子が"H"になり、Nch.トランジスタがONし、セルバランス機能がONになります。
    そうすると、矢印方向にバイパス電流が流れ、その電流分だけセルの充電が抑制されます。
  • (3) セル電圧が過充電検出電圧に達すると、過充電検出遅延時間後にセルの充電は停止します。
  • (4) セルの充電が停止した状態でも、セル電圧がセルバランス解除電圧を下回るまではセルバランス機能が働き続けます。バイパス電流が流れ続けているので、セル電圧が下がり始めます。
  • (5) セル電圧がセルバランス解除電圧に達すると、CB1端子が"L"になり、Nch.トランジスタがOFFし、セルバランス機能が停止します。

セルバランス機能 CELL1でセルバランス動作が行われる場合

  • 多セル
  • 2nd.

カスケード接続

多セル用保護ICを直列につなぐことを、カスケード接続と呼びます。

専用の端子(CTLCにCOUT/CTLDにDOUT)を設けて、カスケード接続に対応している5セルのリチウムイオン電池用保護ICを2つカスケード接続することで、直列10セルのリチウムイオンバッテリーの保護を行うことができます。

多段積みの場合、1チップで対応するセル数の保護IC製品が無ければ、このカスケード接続で対応することができます。 また、対応可能セル数の多い保護ICは高耐圧が必要となり、製造プロセスが高価になりやすく1チップ製品よりも、カスケード対応した製品を複数接続する方が安価な場合もあります。

カスケード接続

対応製品: R5432VシリーズR5436Tシリーズ 等 多セル製品群の一部

  • 1セル
  • 多セル

温度保護機能

温度保護機能とは、リチウムイオン電池の異常な温度を検知し、充放電を停止させることで危険な状況を回避する機能です。

基本的な温度検出の方法としては、NTCサーミスタ(温度検出デバイス)と抵抗素子を直列に接続して分圧し、電圧変換して検出する方式を用いています。

対応製品

1セル: R5441シリーズ
多セル: R5436シリーズ R5650シリーズ

  • 2セル

アラーム機能

アラーム機能では、アラーム過充電検出電圧以上になるとAOUT 端子からアラーム信号を出力します。 サーミスタが感知する温度が45℃以上になるとアラーム検出電圧を下げることができます。(サーミスタの感知温度は変更可能)

高温状態で充電を続けるとリチウムイオン電池は自己発熱によりさらに温度が上がります。そのため、危険を低減させるためにも早めにアラームを出させることが重要となります。

現在、日本では電気用品安全法(電安法)(*)により、リチウムイオン二次電池は、過充電側で2段階の電圧で保護する機能を付与する必要があります。 本機能があることで、1チップでの2段階過充電保護が実現できます。
*: 海外でも同様の規制はあります。

アラーム機能

対応製品: R5461Kシリーズ・R5464Kシリーズ(R5466Kシリーズ)2セル製品群の一部

  • 多セル

断線検出機能

断線検出機能とは、多セル直列構成の電池パックにおいて、セルと保護回路の間で断線が発生した場合にその断線を検出して、保護を行う機能です。

電動工具等の機器では、振動による断線リスクが発生します。もし、保護ICとセルが断線した場合、保護ICがセルの状態をモニタリングすることが出来ず、過充電等の危険な状態であるかどうかを判断できません。

断線検出機能では、一定の周期でセルと保護ICとの接続状態を監視します。異常が見つかれば充電または充放電を禁止し、危険な状態を回避します。

対応製品: R5432VシリーズR5433VシリーズR5436Tシリーズ 等 多セル製品群の一部