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EOSとESDの違いは何ですか?

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EOSは回路の耐圧を超過した電気的ストレスのことを指し、ESDは電気的エネルギーが放出される事象を指します。

  • EOS: Electrical Overstress(過電圧・過電流ストレス)
  • ESD: Electro Static Discharge(静電気放電)

広い意味でのEOS破壊の一要因として、ESDによる回路損傷が分類されることもありますが、回路保護の観点においては以下に示すEOSとESDは区別されることが一般的です。

  ESD(静電気放電) EOS(過電圧・過電流ストレス)
耐量の基準 各製品の耐量レベルは当社HP製品ページの信頼性データを参照ください。 各製品データシート内の「絶対最大定格」を参照ください。
発生源 ヒューマンボディモデル(HBM)、チャージドデバイスモデル(CDM)など、蓄積された静電荷の瞬間放電 電源スパイク、誘導サージ、ラッチアップ、電源誤シーケンスやホットプラグ、導体による回路ショートなど
時間特性 一般的にはnsオーダーの急峻な立ち上がり/立ち下がり 比較的長時間持続、波形は環境・システムに依存して多様
エネルギー量 一般的に数µJ〜数mJ程度の静電容量に蓄えられた限られたエネルギー 持続時間が長いため同電圧・同電流でも総エネルギーは大きく、過大な熱ストレスを生む
損傷パターン ごく局所的な酸化膜ピンホールやメタル損傷に伴う微小リーク チップ全体や複数ピンにわたる熱焼損、メタル損傷、シリコン融解など
ただし、エネルギーが小さい場合はESDと同様の損傷パターンもあり得る*
波形の再現性 放電波形はモデル化されているが放電前の帯電量に依存するため再現性が低い 原因装置、回路または動作条件によって再現性が高いケースがある
対策例 - ESD保護デバイス
- EPA(帯電防止エリア)管理
- 帯電防止リストストラップ、イオナイザ
- TVSダイオードやヒューズによる過電圧吸収
- フェライトビーズ、スナバ回路
- ファーストメイト・ラストブレイク設計
解析時の見分け* 局所的なクラックやピンホール、メタル溶融の有無
⇒OBIRCH/EMS解析による箇所特定後の顕微鏡観察など
チップ表面の複数箇所/広範囲に焼損の有無
⇒多くの場合、樹脂除去後のチップ外観(顕微鏡)観察で判断可能
  • *破壊故障の場合、解析の結果のみでは、ESDと上記のEOSのどちらに起因するものか切り分けることが困難です。
    破壊が確認された際は、ご使用の環境下において、上記(発生源に記載)のような電気的ストレスが印加されうる要素がないかご確認ください。

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