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オペアンプの差動入力抵抗を計算で求めることはできますか?

オペアンプ

バイポーラトランジスタを入力素子とするオペアンプの差動入力抵抗値RinはPN接合の物理的な特性に基づき下記の式により求めることができます。

図8-1
式1-1

常温(T=25°C)では概略下記の式で求めることができます。

図8-2
式1-2

上記の式は入力バイアス電流がすべて1個のバイポーラ入力トランジスタのベースに流れると見なすことができるオペアンプ (NJM4558, NJM2904, NJM2100, NJM5532など) に応用することができます。

PNPとNPNのトランジスタを並列接続したNJM2137シリーズやNJM2730シリーズ、バイアス補償回路付きのNJMOP-07などにはバイポーラトランジスタが入力素子であっても上式の応用は不可能です。NJM06x, 07x, 08x, NJM216x, NJM2082は入力素子が接合型FETのため適用外です。NJU70xxシリーズもC-MOSオペアンプのため適用外です。
上式はオペアンプの入力を理想視した理論値なので現実とは異なる可能性があります。特に、小信号での動作モデル基づくものであるため大振幅動作や入力素子がON、OFF動作をするコンパレータ動作などでは適用できない場合もあります。

差動入力抵抗はオペアンプの+と-の入力端子間の等価的な直流抵抗値です。オペアンプを使用したリニアアンプの入力インピーダンスの値とは異なります。一般にリニアアンプとしての動作では負帰還の動作によりRinがブートストラップされる形となるので見かけの入力抵抗はRinよりはるかに高く見えます。(Fig8_3.)

図8-3
Fig8_3.ボルテージフォロワの入力抵抗の考察例

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