入力バイアス電流(IB) & 入力オフセット電流(IIO)
1.入力バイアス電流と入力オフセット電流の定義
入力バイアス電流は、平均値の絶対値であり、式(1)で表されます。尚、オペアンプの回路構成の違いにより、流れ出すオペアンプと流れ込むオペアンプがあります。
入力オフセット電流は、 IB+とIB−の差であり、式(2)で表されます。

2.様々なオペアンプの入力バイアス電流
- CMOSオペアンプ:殆どの製品が標準1pAです。高温ではnAレベルまで上昇します。
- JFET入力オペアンプ:標準 数十pAです。高温ではnAレベルまで上昇します。
- Bipolarオペアンプ:nAレベル~数µAと広範囲に及び、電気的特性により次の傾向があります。
高精度 ≪ 一般汎用 < 高速・低雑音
3.入力バイアス電流の影響とその対策
入力バイアス電流の影響として、出力誤差が発生します。反転増幅器と非反転増幅器の誤差を式(3)、(4)に示します。


注)入力バイアス電流が流れ込むオペアンプでは、誤差の極性は逆になります。
図2 入力バイアス電流による出力誤差
対策の一つとして、+INPUT端子にR1とR2の並列接続値であるR3を挿入する方法があります。
これにより、IBによる誤差をキャンセルする事ができます。ただし、入力オフセット電流による誤差は補償できません。
