環境への取り組み 環境
省エネルギー活動
生産設備冷却水ポンプのインバータ制御による省エネ
省エネルギー活動
日清紡マイクロデバイス株式会社 川越事業所では、クリーンルームに設置された生産装置向け間接冷却水の送水ポンプとして、4台の機器を運用しています。これまで、ポンプに異常停止や急激な圧力低下が発生した際には、バルブによる圧力調整を行い、生産装置への影響を防ぐために通常より高めの圧力で送水していました。その結果、必要以上の電力を消費する状況が続いていました。
この課題に対して、送水圧力を常時監視しながらインバータ制御によってモーターの回転数を調整する方式へと変更しました。これにより、安定した圧力を維持しつつ、効率的な運転が可能となり、年間で約270MWhの電力削減と、温室効果ガス排出量にして約87.0トンのCO2削減が見込まれています。
冷却水ポンプインバータ化
酸排水処理方法変更による都市ガス削減
省エネルギー活動
日清紡マイクロデバイス株式会社 やしろ事業所では、生産ラインから排出される酸性排水をこれまで蒸気によって処理し、下水へ放流していました。この処理方法では、異常時の安全性確保や排水の安定処理を目的として、多量の蒸気を使用していたため、都市ガスの消費量が増加するという課題がありました。
酸排水には過酸化水素が含まれており、アルカリ排水と混合して蒸気による熱分解処理を行っていましたが、酸排水の排出量はアルカリ排水の約2.5倍に達しており、処理に必要な蒸気量も比例して多くなっていました。そこで、排水処理の効率化と環境負荷低減を目的に、酸排水とアルカリ排水を分離し、酸排水については薬品による処理方式へと変更しました。
この改善により、蒸気の使用量が大幅に削減され、都市ガスの年間使用量は約180千m3の削減を達成しました。さらに、蒸気使用量の減少に伴い、蒸気生成に必要な水の使用量も削減され、年間で約2千m3の節水効果も得られています。これらの取り組みは、環境負荷の低減とエネルギー効率の向上に貢献するものです。
酸処理設備
動力・生産設備の電気使用量削減
省エネルギー活動
日清紡マイクロデバイス福岡株式会社では、2024年度末までに、前年度比で1%以上(年間2.55MWh)および2014年度比で15%以上(年間5,322MWh)の電力削減を目標に掲げ、動力設備および生産設備に対して複数の省エネルギー施策を実施しました。
具体的な取り組みとしては、以下の通りです:
- 常温冷却水送水ポンプ設備において、37kWのIE3モーターにインバータ制御盤を追加し、周波数を調整する運転方式へ変更。これにより、年間約79MWhの電力削減と、約30トンのCO2排出削減を達成しました。
- 純水設備のRO高圧ポンプ(No.2)を更新する際、30kWモーターをIE3(トップランナー基準)に変更し、年間約7.5MWhの電力と約2.9トンのCO2排出を削減。
- 拡散炉の処理待機中の放熱対策として、石英ボートを炉内に収納後、エンドキャップで密閉する対応を年間183日実施。これにより、約7.3MWhの電力と約2.8トンのCO2排出を削減。
- 生産非稼働期間中のスタンバイ温度の見直しにより、製品待ちの長い設備に対して拡散炉の待機温度を調整。これにより、約118MWhの電力と約45トンのCO2排出を削減。
さらに、前年度比で生産負荷が21%減少したことに伴い、生産非稼働日を設けたことも電力削減に寄与しました。これらの取り組みの結果、2024年度の総電力使用量は25,477MWhとなり、前年度比で10.0%(2,876MWh)の削減、2014年度比では27.9%(9,838MWh)の削減を達成。温室効果ガス排出量に換算すると、それぞれ約1,093トンおよび約3,738トンのCO2削減につながりました。
更新後の常温冷却水ポンプ盤
更新後のRO高圧ポンプ
組立工程での省エネ対策
省エネルギー活動
タイ王国にあるNisshinbo Micro Devices (Thailand) Co., Ltd.では、IC(集積回路)第1組立工程における真空発生システムの省エネルギー化を目的として、中央制御型の真空ポンプを新たに導入しました。
従来は、小型真空ポンプ41台と真空エジェクター90台を使用していましたが、これらを高効率なインバータ制御式の中央真空ポンプ3台(うち2台を通常運転)に置き換えることで、エネルギー効率の大幅な向上を図りました。この設備更新により、真空供給の安定性を確保しつつ、消費電力の削減にも成功しています。
2024年6月から新しい集中型真空システムの運用を開始した結果、同年度の下半期において606MWhの電力削減を達成し、温室効果ガス排出量では287トンのCO2削減につながりました。これらの成果は、環境負荷の低減と持続可能な生産体制の構築に貢献するものです。
中央真空ポンプ
気候変動対策の推進活動
PFC等ガス除害装置の導入
気候変動対策の推進活動
日清紡マイクロデバイス株式会社では、電子デバイス製造工程において、温室効果ガスであるパーフルオロカーボン(PFC)ガスなどを使用しています。これらのガスは、地球温暖化への影響が大きいため、排出量の削減はカーボンニュートラルの実現に向けた重要な課題の一つとされています。
この課題への対応として、当社ではPFCガスを分解処理するための除害装置の導入を進めています。2024年10月には川越事業所に1基を設置し、続いて12月にはやしろ事業所にて1基を増設しました。
川越事業所では、温暖化係数が特に高いC3F8ガスを多く使用するプラズマCVD装置3台の排気ラインに、燃焼式の除害装置を導入。これにより、効率的なガス分解処理が可能となりました。 一方、やしろ事業所では、従来の乾式除害装置から処理能力を向上させるため、約2,000°Cの高温プラズマ熱を活用するプラズマ式除害装置を採用。これにより、より高度な分解処理が実現しています。
これらの取り組みにより、温室効果ガス排出量の削減効果は、川越事業所でCO2換算約5,880トン、やしろ事業所では約3,615トンに達しました。
PFC等ガス除害装置
水資源保全活動
冷却水循環化による水資源有効活用
水資源保全活動
日清紡マイクロデバイス株式会社 川越事業所では、生産装置向けに、間接冷却水を井水(地下水)から供給し、使用後は事業所外へ排水する方式を採用していました。 この従来の仕組みでは、加熱された冷却水を再利用せずに排水していたため、水資源の消費量が多く、環境負荷の面で課題がありました。そこで、同事業所では水資源の有効活用と環境保全を目的に、排水を受水槽へ戻して再利用する循環型の冷却水供給方式へと変更しました。
この改善により、年間で約40千m3の排水量を削減し、地下水の揚水量も大幅に抑制されました。さらに、揚水量の減少に伴い、揚水ポンプの稼働に必要な電力も削減され、年間で約6,500kWhの省エネ効果を達成。これらの取り組みは、水資源の保護と温室効果ガス排出量の削減に直接貢献するものであり、持続可能な生産活動の推進に寄与しています。
冷却水回収による水資源有効活用
外調機プレコイルの温水制御変更による節水
水資源保全活動
日清紡マイクロデバイス株式会社 やしろ事業所では、クリーンルームの外調機に設置されたプレヒーティングコイルの制御方法を見直すことで、年間536m3の水使用量削減を達成しました。
このプレコイルは、外気温が低下した際に外調機の凍結を防ぐため、温水を流して外気を加温する役割を担っています。従来は、外気温が一定の水準を下回ると、外気温が回復するまで温水を継続的に流していました。しかし今回の改善では、プレコイルの後段温度をリアルタイムで監視し、その温度に応じて温水の供給量を制御する方式へ変更。これにより、必要以上の温水使用を抑えることが可能となりました。
この温水使用量の削減は、都市ガスの消費量にも大きく影響し、年間で約33千m3の都市ガス削減につながりました。これは、水資源の保全とともに、化石燃料の使用抑制による温室効果ガス排出量の削減にも貢献する取り組みであり、同事業所の環境負荷低減に対する継続的な努力の一環です。
プレコイルの制御改造
外調機
化学物質管理活動
塩酸漏洩緊急対応訓練の実施
化学物質管理活動
日清紡マイクロデバイスAT株式会社では、用役施設において発生が想定される漏洩事故(重油、薬品類、酸・アルカリ排水など)に備え、環境緊急時対応訓練を定期的に実施しています。訓練は施設課と、用役監視業務を担う九州ビルサービス株式会社様と連携して行われており、実際の緊急事態を想定した実践的な内容となっています。
2024年度には、純水製造装置で使用されるイオン交換樹脂再生薬品の塩酸タンクにおいて、液面計の破損による塩酸漏洩が発生したというシナリオで訓練を実施しました。塩酸は揮発性が高く、有害なガスを発生するため、対応には高度な安全対策が求められます。
訓練では、酸用吸収缶付きの防毒マスクをはじめ、耐薬品性のあるカッパ、手袋、靴などの保護具を着用したうえで、漏洩拡大防止措置として、近隣の排水口への流入を防ぐために土嚢を用いて堰止めを行いました。その後、保護具を着用した作業員がバルブを閉栓し、漏液の停止操作を実施。バルブ操作時には、風上からホースで散水することで発生ガスの拡散を抑制する工夫も取り入れました。
実地訓練の終了後には、薬品の性質や取り扱いに関する座学教育も実施し、関係者全員が化学物質の危険性と適切な対応方法について理解を深めました。これらの取り組みは、環境保全と労働安全の両面において、リスク管理体制の強化に貢献するものです。
緊急対応訓練の様子1
緊急対応訓練の様子2

