• X(Twitter)
  • YouTube
  • Linkedin
  • ニュースレター登録
プレスリリース
2026年8月19日

世界初、シリコン基板の両面に回路を形成し実装面積を80%削減
「シリコンマザーボード」の技術を確立

日清紡マイクロデバイス株式会社(代表取締役社長︓吉岡 圭一)は、世界で初めて※1、シリコン基板の両面に回路を形成し、ICと受動部品を一体集約できる3次元実装技術「シリコンマザーボード(Si-MB®)」の確立に成功しました。
本技術により、従来のチップレット技術では困難だった受動部品の一体化を実現し、試作品では従来のディスクリート構成に比べ実装面積を約80%削減しました。さらに、外形は既存の量産パッケージと同じにしたことで、お客様の実装負担を軽減するだけでなく、耐久性が求められる用途にも対応します。

※1︓当社調べ

背景・課題

近年、産業機器や車載機器、通信機器をはじめとする工業製品では、高機能化に伴い搭載される電子部品の点数が増加しています。その結果、製品の大型化や輸送エネルギーの増加に加え、部品の調達・供給管理の複雑化が課題となっています。こうした課題を解決する手段として、複数のICや周辺部品を一体化する「部品集約」が進められてきました。部品集約において重要となる要素は、以下の3点です。

  • 多様な部品を搭載できる高い自由度
  • 小型化に向けた高密度実装
  • 高負荷環境下でも安定して動作する高い耐久性

このうち、小型化・高密度実装を追求した技術として注目されているのがチップレット技術です。しかしチップレットは、ICチップに特化した構造であるため、チップ抵抗やコンデンサなどの受動部品を搭載しにくいほか、高密度化の代償として耐久性にも制約があり、適用分野が限定されるという課題がありました。

図1 チップレット技術の課題とシリコンマザーボードの概要図

図1 チップレット技術の課題とシリコンマザーボードの概要図

シリコンマザーボードの特徴

シリコンマザーボードは、従来のチップレット技術では難しかった受動部品の搭載と高負荷環境での耐久性を両立した、新しい高密度実装技術です。その内部構造を図2に示します。

本技術の主な特徴は以下の3点です。

  • シリコン基板上面に機能チップを実装
  • シリコン基板内部にトランジスタ・抵抗・コンデンサをウェハプロセスで形成
  • シリコン基板下面に外部受動部品を実装

中でも最大の特長となるのは、シリコン基板の下面に外部部品を搭載できる点です。これにより、従来のチップレットでは搭載が困難であった大容量コンデンサ(1,000pF以上)や低抵抗(1Ω以下)、インダクタなどの受動部品を一体化することが可能となりました。
さらに、本技術は新たな特殊パッケージを必要とせず、既存の量産パッケージ外形を採用しています。そのため、ユーザーは既存の実装設備を活用でき、導入コストや評価工数を大幅に削減できます。
また、量産実績のある既存パッケージ外形を採用することで高い耐久性を確保しており、民生用途から産機・車載といった高い信頼性要求のある用途まで適用が可能です。

図2 シリコンマザーボードの構造

図2 シリコンマザーボードの構造

試作例

シリコンマザーボードの試作例(機能︓ウインドウ・コンパレータ)を図3に示します。本試作では、シリコン基板上に2つのコンパレータICを搭載し、基板内部にはウェハプロセスにより抵抗素子を形成しています。さらに、基板下面には印刷配線上にチップ抵抗を実装しました。
このように、ICチップ、内蔵受動素子、外付け受動部品を一体化することで、高度な部品集約を実現しました。その結果、従来構成と比較して、実装面積を約80%削減しています。(図4)

当社がシリコンマザーボードの技術確立に成功した背景には、低ノイズ化や高精度化などアナログIC分野で培ってきた技術力があります。このような技術力により、当社はコンパレータIC、オペアンプIC、LDO電源ICなどにおいて世界上位のシェア※2を有しています。
アナログICは、単体性能だけでなく、抵抗・コンデンサ・インダクタといった周辺部品との組み合わせや定数設計によって、最終的な性能が大きく左右される特性も持っています。そのため、ICと周辺部品を一体として最適化することが、高性能化・高信頼化の鍵となります。
しかし従来のチップレット技術では、ICチップ以外の受動部品の集積が難しく、アナログICの性能を最大限に引き出すための設計自由度に制約がありました。
シリコンマザーボードは、この課題を解決するために開発した技術です。ICチップに加え受動部品も含め一体集約を可能にすることで、アナログICの性能を最大化できる実装基板を実現します。
今後当社は、本技術を活用し、単なるIC製品の提供にとどまらず、周辺部品を含めた高付加価値なシステムソリューションを展開し、お客様の開発効率向上と製品の高性能化に貢献してまいります。

※2︓Marketing Eye Co., Ltd. 調査結果(2024年)

図3 シリコンマザーボードの試作例

図3 シリコンマザーボードの試作例

図4 シリコンマザーボードでの部品集約例

図4 シリコンマザーボードでの部品集約例

  • 『Si-MB®』は日清紡マイクロデバイス株式会社の登録商標です。

シリコンマザーボードの特徴を分かりやすくご覧いただける動画です。(約30秒・ループ再生)

報道関係者様へ

このページに掲載されている内容は発表時のものです。既に販売終了になっている商品や、内容が異なっている場合があります。