PMIC 特長とメリット

01「開発工数削減」に貢献
フレキシブルなシーケンス制御

- お客様のプラットフォームや電源構成に合わせたシーケンス設定が可能です。
- Power ON/OFF の設定だけでなく、Sleep IN/OUT のシーケンス設定をすることもできます。
PMICの各電源の起動シーケンス制御や初期値電圧がOTPで設定することを前提に、各電源の立ち上げ順序を示したタイミングチャートと各電源の初期値の一例を説明します。OTP(One Time Programmable Rom) とは、 格納するデータを一度だけ電気的に書き込む(プログラムする)ことができるROM(Read Only Memory)です。書き込み後は読み出すことしかできません。
初期電圧値や起動シーケンスはOTPでプログラムできます。また、それらは起動後、プロセッサからレジスタにI2Cでアクセスして、変更することも可能です。併せて、遅延のステップの間隔もOTPで0.5msまたは2msを選択できます。(ただしステップ間隔はレジスタでは変更できません)
各電源の立ち上げ順序を示したタイミングチャートと各電源の初期値の一例


SoCのパワーオン(電源起動)時にPMICの各電源がSoC内の各機能ブロックへ電源供給を開始する順序や、パワーオフ時に電源供給を終了する順序、SoCがスリープ状態に入るときの電源オフ順序やスリープ状態から復帰するときの電源オン順序を制御するのがシーケンス制御です。
PMICはSoC内部の各ブロックに最適な電源を供給しますが、SoCの各ブロックは電源起動順序が決められており、PMICの各電源はその順序に従って電源供給する必要があります。これがシーケンス制御の主な目的です。シーケンス制御で適切な電源投入と電源切断をおこなうことで、バスの競合を防ぐことができます。
また、PMICのDC/DCコンバータやLDOなどの各電源にはソフトスタート機能や電流制限機能によって突入電流を抑制する機能がありますが、これらの電源が同時にすべて立ち上った場合にはPMICの入力側の電源ラインの電圧のドロップは避けられず誤動作の恐れがあります。各電源の起動タイミングをずらすことで、突入電流を分散させて誤動作を防ぐことも、シーケンス制御の目的です。
プラットフォームに合わせたフレキシブルな電圧設定が可能
当社のPMICは様々なSoCに合わせてそのSoCシステムが必要とする電源起動シーケンスが実現できるように、OTPによってカスタマイズできるようにしています。
PMICに搭載されたOTPには顧客要求あるいは採用するSoCに合わせて、DC/DCコンバータやLDOの起動順序(シーケンス)、起動時の出力電圧の初期値電圧があらかじめプログラムされており、PMICの電源投入時にOTPからプログラムされたデータが読み出され、シーケンスを設定するレジスタや、出力電圧を設定するレジスタに反映されます。
- 初期の出力電圧はOTPで設定し、その後はレジスタで変更が可能です。
- 設定電圧範囲も広いため、お客様のプラットフォームに合わせた設定をすることができます。
製品別 初期値電圧表 フレキシブルな電圧設定が可能
RN5T567/8/9/10/12 | By Register | By OTP | |
---|---|---|---|
DCDC | 0.6V - 3.5V | 12.5mV Step | 50mV Step |
LDO1-2 | 0.9V - 3.5V | 25mV Step | |
LDO3 | 0.6V - 3.5V | ||
LDO4 | 0.9V - 3.5V | ||
LDO5 | 0.9V - 3.5V | ||
LDORTC1 | 1.2V - 3.5V | ||
LDORTC2 | 0.9V - 3.5V |
マルチファンクションGPIOを搭載
自由な組み替えで効率的な開発が可能に

- マルチファンクションGPIO(General Purpose Input/Output Pin)が搭載されているため、ご利用のアプリケーションにあわせた入出力の選択ができます。
選択できる入出力例
Function | RN5T567/8/9/10/12 |
---|---|
PowerControl | On/Off/Reset |
CLK32K | Out |
LED Driver | ✓ |
Enable_for_ext_IC | ✓ |
02「消費電流の削減」に貢献
動作モードに応じた電源制御
PMICには消費電流の削減に貢献する、さまざまな機能があります
動作モードに応じた電源制御
PMICには消費電流の削減に貢献する、さまざまな機能があります

- SoC全体の動作モードに合わせて各電源のOn/Offをピンやレジスタで簡単に制御できるため、消費電流を抑制することができます。
電源モードでは、PowerOn、PowerOff、SLEEPなどのSoCの動作モードに合わせて各電源のOn/Offを制御することで消費電流を抑制することができます。
それぞれのモードへは、ピンだけでなくI2C(シリアルI/F)で簡単に遷移可能です。なお、SLEEPモードでは、Offさせる電源や電圧値の変更、そのOffする順序までもI2Cで簡単に設定が可能です。
※クリックすると画像を拡大することができます。
SoCの動作モードに対応したPMICの状態遷移図

DVS(Dynamic Voltage Scaling)
DVS(Dynamic Voltage Scaling)

- デバイスの動作状態に合わせてDVSで電圧を可変制御。動作時においてもLogic回路の消費電流をへらすことが可能です。
DVSはDynamic Voltage Scalingの略で、後段のSoCやFPGAなどのデバイスに電源電圧を供給しながら、そのデバイスの動作状態(動作モード)に合わせて電源電圧を動的に変化させる機能のことで、動作時の消費電流を低減する方法の一つです。PMICのレギュレーターの電圧を下げることで、後段の電源供給先のLogic回路の消費電流をへらすことが可能です。
後段のSoCやFPGAがStandbyやSleepなど消費電流を減らしたいときに、電源は印加したまま、階段状に段階的に電圧を下げることで、リップルを抑えたスムーズな遷移で電圧を下げ、消費電流削減に貢献できます。
DVS機能を表すタイミングチャート

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03「省実装面積化」に貢献
電源及び電源管理機能を1チップに搭載
電源及び電源管理機能を1チップに搭載

- 1チップに複数の電源ICとロジック回路を集積しているため、同数の単品電源ICを搭載する場合に比べて実装面積を小さくすることができます。
- PMIC1個で賄うことでコスト面でも有利に。
Product | Package Size | Mounting Size | Height |
---|---|---|---|
RN5T567 | 36mm2 | 191mm2 | 0.9mm |
RN5T568/10/12 | 49mm2 | 279mm2 | 0.9mm |
RN5T569 | 49mm2 | 279mm2 | 0.9mm |

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