注目の製品 - R1540-
高ノイズ耐性 入力最大 42 V, 70 mA ボルテージトラッカ
2019年10月31日
R1540は今後さらに進展する車載・産業用アプリケーションの電源回路設計上の課題を解決するために開発されたボルテージトラッカです。外来ノイズに対する高イミュニティ特性やクリーンな電源供給を実現する高PSRR特性、電池駆動システムの長寿命化や車載用ECUの暗電流低減に貢献する超低消費電流など、R1540はお客様の課題解決をサポートします。
ノイズ対策部品を削減し、省面積に貢献
車載電装システムなどでは安全要求の高いシステムを実現をするために多くのセンサー類が搭載されています。電磁ノイズ(EMI)や外来の電磁ノイズの影響を受けることなく、センサー類を誤作動 / 誤検出から守りシステムの安全性を確保するためにもノイズ対策は重要です。
R1540は当社独自の回路技術により、電磁ノイズに対する高いイミュニティ特性を実現しています。従来、オフボードセンサシステムに電源を供給する場合、ワイヤハーネスが電磁ノイズを生じさせる原因となり、センサーの動作に影響を与えるため、ノイズ対策部品が必要でした。R1540は、150kHzから1GHzの幅広い周波数帯のノイズ環境でも安定した電圧を供給できるため、部品点数の削減、実装面積の削減に貢献します。
高PSRRによりセンサーへクリーンな電源を供給
自動車の先進運転支援システム(ADAS)等に搭載されるセンサーの数は増しており、機器の安全性を向上させるためにもセンサーの精度向上は欠かせません。しかし、電源供給ラインにリップルが生じるとセンシング精度が落ちてしまうため、センサーにはリップルを除去したクリーンな電源を供給する必要があります。
R1540は、センサー類の基準電圧源として安定度の高い電圧を供給することができるため、ECUと外部センサーの電源を分離することが可能です。また高PSRRにより低ノイズの電圧供給ができるため、センシング精度の向上につながります。
スタンバイ時の消費電流はTyp. 0.1 μA、システム全体の低消費電力化に貢献
機器に搭載される電子部品の点数が増えると、必然的に消費電力も増えてしまいます。そのため、システム全体の消費電力を抑えるためにも、部品一つ一つの消費電流の低減が重要となります。
R1540はスタンバイ時の消費電流をTyp 0.1µAに低減し、システム全体の低消費電力化に貢献します。非常に低い消費電流は、電池駆動システムの長寿命化や車載用ECUの暗電流低減を可能にします。
安全性に配慮した機能・設計
安全に配慮した機能・設計により、R1540 シリーズおよび接続先ICの破壊・故障を防ぎます。
- 過電流保護機能:負荷電流が増加した場合でも、一定の電流値で制限します。
- 短絡保護機能:出力端子とグラウンドと短絡状態になると出力電流を絞り、ICの焼損を防止します。
- サーマルシャットダウン機能:
大きな電流が流れることで引きおこる過熱を感知して出力をオフし破損を防ぎます。165℃で過熱を検知、135℃まで低下すると通常動作を再開します。 - 安全なピン配置:HSOP-8Eパッケージでは、隣接ピン間のショートが発生しても破壊しないような配置にし、安全性を確保しています。
アプリケーション
- ボディーECU/エンジンECU/エアコンECU etc.
- FA機器、スマートメーターなどの産業用機器
まとめ
R1540シリーズは、独自の回路技術により高いイミュニティ特性と良好なPSRR特性が備わっているボルテージトラッカで、センサ類の基準電圧源として安定度の高い電圧を供給します。過酷な環境下で使用される車載電装機器・産業用機器のオフボードセンサやADC向けのシステム電源に最適です。
品質グレードは民生機器用、産業機器用、車載用と3種類をラインナップし、動作温度は40℃~105℃(民生)、-40℃~125℃(産機・車載)です。