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起動時に絶対最大定格を超える突入電流が流れるが問題ないか?

LDOリニアレギュレータ保護回路

ほとんどの場合で問題はありません。
LDOの起動時に流れる突入電流は主に出力コンデンサを充電するための電流です。
その突入電流については、電流値が問題ないかということと突入電流による発熱が問題ないかという2点を検討します。

多くのLDOで起動時の突入電流の電流値は絶対最大定格を超えますが、過電流保護機能が働いています。
また、製品寿命のなかのDutyで考えると、積算時間はごくわずかなので 定常状態で絶対最大定格内で設計していればたいていは問題になりません。

発熱については過渡熱抵抗を使ってジャンクション温度Tjを計算し、それが絶対最大定格Tjmaxを超えなければ問題ありません。
過渡熱抵抗値Δθjaは時間とともに大きくなり最終的には熱抵抗値θjaと等しくなります。
多くのパッケージで1ms程度の過渡熱抵抗値Δθjaは熱抵抗値θjaよりも一桁程度小さい値です。
LDOの起動時に突入電流が流れる期間は1ms以下であることが多く、 熱抵抗値θjaを使って定常状態で問題ないように設計していれば 突入電流が流れても発熱は問題になりません。
例えば、出力電圧の立ち上がりに100ms以上かかるほど大容量の出力コンデンサが接続されている場合には詳細な検討が必要になります。 

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