新製品ニュース
2020年08月31日(令和2年)

業界トップレベルの遅延時間安定性※1
入力フルスイング形式コンパレータシリーズをラインアップ

 新日本無線株式会社(本社:東京都中央区 代表取締役社長:森田 謙一)は、入力フルスイング形式コンパレータの入力信号レベルの変化による伝搬遅延の変動を、従来比で1/10(業界トップレベル※1)まで抑え込むことに成功しました。

 コンパレータは車載機器、産業機器、民生機器を問わず各種電子・電気機器のアナログ信号レベル検出に用いられており、市場では、低炭素社会への推進のため動作電源電圧の低電圧化が求められ、フルスイング入力が可能なコンパレータの需要が高まっています。
 新しく開発した回路技術 Dynamic Transient StabilizerTM により、伝搬遅延時間の変動を抑えたフルスイング入力を実現し、市場からの要望に応える製品ラインアップを充実しました。

  • ※1

    NJU77250の場合、2020年7月時点、当社調べ

Dynamic Transient Stabilizer TMとは

 Dynamic Transient Stabilizer TM が可能とした理想の入力フルスイングコンパレータ

 従来の一般的な入力フルスイングコンパレータは、入力信号のレベルが変わると、重要特性の一つである、伝搬遅延時間が44%も変動する事もあり、所望のスピードで信号処理が行えない可能性があります。
 製品開発では、この伝搬遅延の変動分も設計マージンとして考慮しなければならず、設計の手間が増えてしまいますが、回路技術 Dynamic Transient Stabilizer TM を使うことで、全ての入力レンジの信号で安定したレスポンスを得られます。
 新日本無線は従来の入力フルスイングコンパレータを用いたアプリケーションで必要だった各リファレンス電圧での伝搬遅延時間の評価工数や、設計工数の削減に貢献します。


入力信号レベルが変化しても伝搬遅延時間の変動が極めて少ない

20200831_Fig1.png

(事例)ウィンドウコンパレータによるレベル検出回路

20200831_fig-2.png20200831_Fig3.png

Dynamic Transient Stabilizer TM 搭載 入力フルスイングコンパレータシリーズ

 新日本無線では、超低消費電流0.6uAから高速42nsecまで、回路数、出力タイプ等、幅広いラインアップを取り揃えております。

 入力フルスイング形式コンパレータシリーズラインアップ

ldd 製品名 回路数 出力タイプ※2 伝搬遅延時間 機能/特長 ステータス
1.高出力 2.高EMI 3.入力トレラント AEC-Q100
超低消費アプリ向け
(モバイル機器のセンサなど)
0.6uA NJU77210 1 PP 9.5us 50mA 開発中
NJU77220 1 OD 10us 開発中
NJU77212 2 PP 9.5us 11月サンプル
NJU77222 2 OD 10us 開発中
低消費アプリ向け
(バッテリ制御など)
6uA NJU77230 1 PP 0.78us 40mA 量産中
NJU77240 1 OD 0.84us 量産中
NJU77232 2 PP 0.78us 量産中
NJU77242 2 OD 0.84us ※3 量産中
高速アプリ向け
(各種保護回路など)
140uA NJU77250 1 PP 42ns 65mA 8月サンプル
NJU77260 1 OD 125ns 11月サンプル
NJU77252 2 PP 42ns 開発中
NJU77262 2 OD 125ns 開発中
  • ※2

    PP:プッシュプル、OD:オープンドレイン

  • ※3

    詳細についてはお問合せ下さい

機能/特長

  • 1.高出力電流により周辺回路部品点数削減が可能
    • NJU77250では65mAの高電流を出力できます。
      また、NJU77212(開発中)では0.6uAという超低消費電流にも拘らず、50mAという高出力電流を誇ります。
      コンパレータ単体で直接、LEDやリレーの駆動が可能となり、従来必要とされた外付けのドライバ部品の材料費、基板面積、設計工数の削減が可能となります。
  • 2.高EMI耐性設計
    • NJU77230ではEMIRR=62dB typ. @f=900MHzと高いEMI耐性を実現しております。
      さらにNJU77212(開発中)は業界トップレベルとなるEMIRR=100dB typ.の高EMI耐性を実現しました※4
      これらにより、EMI耐性を上げるために必要だったコンデンサや抵抗などのフィルタ部品が不要となります。
      また、高信頼性設計、設計工数の削減に貢献します。
      • ※4

        NJU77212の場合、2020年7月時点、当社調べ

  • 3.入力トレラント機能
    • NJU77212(開発中)では電源電圧を超える入力電圧が入力されたとき、後段の回路を保護し、電気機器の誤動作を抑制する機能を内蔵しているため、これまで回路保護に必要だったダイオード等の保護素子を削減できます。また、フェイルセーフ設計、設計工数の削減に貢献します。
  • 優れた温度安定性により車載機器/産業機器用途に最適
    • NJU77250では、周囲温度に対する伝搬遅延時間の変化が0.05ns/℃、入力オフセット電圧の温度変化は0.8uV/℃と検出誤差を小さく抑えます。
      これらにより、幅広い温度環境下で安定した高速レスポンスを求められる、車載機器や産業機器用途のアプリケーションに最適です。

アプリケーション

  • 過電圧検出、過電流検出、過熱検出などの保護回路
  • ウィンドウコンパレータ
  • LEDドライブ
  • リレードライブ
  • 電子・電気機器全般

企業情報

  • 会社名:新日本無線株式会社 (日清紡グループ
  • 所在地:東京都中央区日本橋横山町3番10号
  • URL:https://www.nisshinbo-microdevices.co.jp/

    • 新日本無線は、マイクロデバイス事業会社として中核を担っています。

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