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注目の製品 - R3201 -

携帯端末向けシッピングモード付きリセットタイマーIC

2019年3月25日

  • R3201

R3201シリーズはバッテリー内蔵の携帯端末向けに開発されたICです。異常時、通常動作を再開する際に外部からリセット入力を必要とする端末に適しています。さらに、倉庫保管時や輸送中の電力消費を抑えるシッピングモードを搭載しています。携帯電話、タブレット、デジタルカメラ、医療用端末、ウェアラブル機器、携帯ゲーム機、ミュージックプレーヤーなどの小型アプリケーションに最適なICです。

リセットタイマー部

昨今の携帯端末では搭載される機能が多岐にわたり、ソフトウェアの誤動作により端末自体がフリーズしてしまう場合があります。端末がフリーズした際には、システムリセットし、通常動作を再開させる必要があります。リセット方法としては、リセット用のボタンを押すか、複数のボタンを長押しするか、バッテリーをいったん取り外す、という操作が一般的です。

R3201シリーズはこのようなリセット機能を必要とする端末向けに開発されました。R3201シリーズは、アプリケーションプロセッサ内部リセットに十分な長さのリセット信号を発信します。2つのリセットリクエスト入力端子 (RST0、RST1) があり、両方の端子を同一あるいは、別々のリセット用ボタンに接続することが可能です。
リセット信号の誤動作を防止するために、数秒間のリセット遅延時間がIC内部で設定されています。遅延時間は8 / 10 / 12 / 16秒間の中からお選びいただけます。リセット状態になってから、0.4秒リセット信号をキープすることが可能です。

RST0、RST1にはデバウンス回路があり、10 msの遅延時間が内蔵されています。

シッピングモード

R3201シリーズの特色としてシッピングモードがあげられます。倉庫での長期保管や輸送中に役立つモードです。従来のリセットタイマーICの代わりにR3201シリーズを搭載する最大のメリットは、シッピングモードによって電力消費を最小化できる点にあります。

通常のスタンバイモードで長期保管されたバッテリー内蔵型の端末は、スタンバイ電流によって電力を消耗しきってしまうことが起こりえます。端末がスタンバイモードに移行しても動作し続けるICもあり、オフしていてもすべてのICには無効電流としてスタンバイ電流やリーク電流が存在します。オフ状態においても、リーク電流の量には気をつける必要があります。

R3201シリーズは、アプリケーション内のプロセッサから短いクロックパルスをオフ入力端子で受け取ることで、15秒後にシッピングモードに移行します。nSRO出力端子で外付けMOSFETの電源ラインのOn/Off切り替えを実行し、大元の電源パスをカットすることで、オフモード時のリーク電流削減ができるため、バッテリーの長寿命化に貢献することができます。この出力にはスルーレートが設定されており、スムーズな電力供給切り替えが可能です。SRO出力端子はLDOレギュレータやDC/DCコンバータをスタンバイモードに切り替えるなどの用途にご使用いただけます。

  • 従来技術

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  • R3201

    R3201

シッピングモードの解除は、パワーオンボタンを2秒以上押す方法と、デバイスにアダプタが接続されたことをTAIN入力端子で検出する方法があります。入力側回路の耐圧は12 Vですが、100 kΩのシリーズ抵抗を挿入することで30 Vまで上がります。 シッピングモードでは、冗長回路はすべて電源から切り離されるため、R3201シリーズの自己消費電流量であるわずか0.35 µAまで無効電流を抑えることができます。

  • w100p

    シッピングモードタイミング図

ディスチャージ端子

R3201シリーズには2つのディスチャージ出力端子 (DCHG0/1) があります。リセット動作中に放電させたいコンデンサの電圧をGNDレベルにするためのトランジスタが内蔵されています。


まとめ

R3201シリーズは、ソフトウェア誤動作からの復旧に適切なリセット信号を必要とする携帯端末に最適なリセットタイマーICです。新たに追加されたシッピングモードにより、倉庫保管が長期化しても、バッテリーの放電が少なくなるため、バッテリーの持ち時間が長くなります。非常にコンパクトなパッケージで、必要な外付け部品は数点のみであるため、実装面積を抑えることができます。